そうだ、美術館へ行こう! 〜水玉の世界へ②
こんにちは。上條記念病院のグッチじちょうです。
そんなわけで、草間彌生さんのおっしゃる「私の愛のすべて」とは何なのか!?
僕は考えてみました。(美術館の受付近くには、〈考えるかぼちゃ〉のオブジェもありました。)
今回の展示で印象に残った絵がありました。
お母さんの肖像画です。
すごく初期の(10歳くらい?)の作品です。
彌生さんのお母さんの肖像が鉛筆でシンプルに描かれています。
お母さんはとても静かに少しうつむき加減で目を閉じています。
すごく美しく優しそうな女性の肖像です。
特徴的なのは、お母さんの顔にも首にも、着物にも背景にも、
小さな丸い模様(水玉模様)が描かれていました。
(ああ、これは原風景だな…)と僕は思いました。とても好きな絵です。
彌生さんは幼少の頃から、お母さんとの関係が良くなく。
精神的に不安定なると幻覚をみたり体調不良になったりしたそうです。
そういう時に絵を描いたりすると、すごく気持ちが楽になったそうです。
絵を描くことに没入していって、それを永遠と続けていくと、
「自分」という存在が表現の中に埋没していく。
「自分」を無くしていく事が、彌生さんの芸術のスタイルになっていきます。
そういうことを思えば、彌生さんの表現は前衛的でありながら、
自分を顕示していく欲求とは真逆です。
反対に「自分」を消滅させていく方向です。
彌生さんと一緒にぱちり!