サントミューゼ上田市立美術館はとても素敵な美術館でした。劇場・ホールや体験教室のようなスペースやカフェも併設された複合施設という感じ。たくさんの人達がそれぞれの目的で集まっていました。

僕は早速、篠田桃紅さんの展示『とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち』展に向かいました。

 

桃紅さんの展示の特徴は、まず掛けられた作品の横に題名が書かれていないことでした。手元に渡されるパンフレットには、作品番号と題名が書かれていますが、実際に絵を眺めている時には題名を気にしないで絵に向き合うことができます。そういう工夫は抽象的な作風を味わうために適しているスタイルだと思いました。

そうして僕はゆっくりと、桃紅さんの「墨いろ」の世界を味わうことができました。

 

最初の書道的な文字の表現から、どんどん抽象的な絵と進化していく過程

1956年に43歳で渡米した桃紅さんが、かっこよく着物に身を包んだ姿で、当時のボストンやシカゴで個展をやっていたという事実にも、驚かされました。

 

時代を感じさせない洗練された表現。

日本古来の古典・伝統文化の豊かさをたっぷり受け継ぎながら、同時に現代的な抽象絵画でもある。

桃紅さんのような日本女性が、比類ない一流の画業を為していることに圧倒されてしまいました。

 

桃紅さんの絵は、何を表現しているのか。

それはその絵の前に立って見れば、おのずと感じられるものとしか言いようがありません。

言葉を使って色々と説明してしまうのも、あえて絵の隣に題名を並べておかない工夫に対して、野暮になってしまうのかもと、そう思いました。

 

たまには美術館へ行って、言葉にならない何かを体験するのって楽しいことですね!!

皆さんにもお勧めいたします!ぜひ!!

 

展覧会名 篠田桃紅 とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち
会場 サントミューゼ 上田市立美術館 2階 展示室
期間 2018年4月21日(土)~7月22日(日)

※会期中作品保護のため一部展示替があります。
〈前期〉 4月21日(土)~6月4日(月)
〈後期〉 6月6日(水)~7月22日(日)

休館日 火曜日
時間 9:00~17:00 (最終入場は16:30まで)
料金 <当日券>

一般          1,200 円 (1,000 円)

高校・大学生      800 円 (600 円)

小・中学生        400 円 (300 円)

※( )内は、当日20名以上の団体、障害者手帳携帯者とのその介助者1名

「篠田桃紅 とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち」展 特設サイト

http://tsb.jp/shinodatoko/